カリウムベンジルオキシドPhCH2OKは、水酸化カリウムKOHを用いても作れますが、以下のように脱水します。 KOH+PhCH2OH → H2O+PhCH2OK...
常圧溶解法では、繊維強化プラスチック(FRP: Fiber Reinforced Plastic)に使用するエポキシ樹脂硬化物や不飽和ポリエステル樹脂硬化物などを溶解して除去するために、触媒としてリン酸三カリウム、溶媒としてベンジルアルコールを用います。この溶解機構について以下詳しく説明します。...
論文や特許などの文献は、10ページほどであれば約2時間で読めました。英語はあまり得意ではないので、英文だと1日がかりで読みました。1日8時間の研究時間が確保できれば、日本語の論文と英語の論文の平均で、1日で2報読めることになります。...
研究開発に必要な業務の棚卸をします。業務の整理整頓といってもいいと思います。 まず、業務の大分類を決めます。私の場合は、安全衛生、経理関連、研究雑務(研究停滞)、研究業務(研究推進)の4分類としました。ここに各業務を当てはめていきます。 例えば、このようにします。
合成実験のマニュアル化に続いて、機器分析のマニュアル化です。 使用する分析機器は研究の内容によって大きくことなります。私の場合はエポキシ樹脂フィルムの合成や、エポキシ樹脂硬化物の解重合を長い間研究していましたので、次のような分析機器を使いました。 赤外分光光度計 (IR: Infrared spectrometer) 核磁気共鳴分析装置 (NMR: Nuclear magnetic resonance...
「研究の作業はすべて非定常作業だから、効率を上げるのが難しい」といわれることがありました。これについて、いろいろ考えてみました。 文献を読んだり、実験したり、報告書を作成したり、全く異質の業務をこなしていかなければなりません。しかし、これを半年や1年の単位で見ると、かなりの繰り返しが多いことが分かります。...
今はもうなくなってしまいましたが、日立化成(株)という会社で、1980年の入社から、2015年の定年退職まで、約35年間研究開発業務に携わってきました。その35年間のうち、32年間は研究所に在籍していました。実験が好きで、管理職になってからも実験は続けました。そうして、3つの技術を開発しました。プリント配線板用フェノール硬化エポキシ樹脂、エポキシ接着フィルム、熱硬化性樹脂複合材料リサイクル技術です。 開発対象は異なりましたが、研究開発は同じようなやりかたで進められました。いろいろと工夫して少しずつ効率を上げていきました。入社して3年間が経った頃からは、研究所が設定した、報告書 (1報/年・人)、特許 (2報/年・人)、発表 (1件/年・人) のノルマを2倍から3倍で達成できるようになりました。40歳で管理職になってからは、グループメンバー全員のノルマも同様に、2倍から3倍で達成しました。 研究効率を上げる方法に関する本などを探したのですが、概念的な内容が多く、高分子化学の研究の効率を上げる具体的な方法は見つかりませんでした。ここでは、化学系企業内での研究開発を高効率化するための方法を、思いつくまま順不同で、ご紹介したいと思います。化学実験の高効率化や分析機器の効率的利用法だけでなく、調査の仕方、報告書の作り方などでも、少しでも効率を上げようとしたので、これらについても具体的に紹介します。 また、研究所では、一担当者の立場から10人ほどのグループの管理者の立場まで経験しましたので、様々な年代の方々のお役に立てるのではないかと期待しております。お役に立ちそうな方法がありましたら、ぜひお試しください。
2年ほど前に書いた「エポキシ樹脂-硬化剤ジシアンジアミド」の続きです。これまでに提案されている反応機構を紹介します。 一般的には以下の反応式ような、アミノ基の活性水素だけが反応すると考えられます。
CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)のリサイクル技術では、様々な方法が検討されていますが、何らかの方法で炭素繊維(CF)を回収して再利用しようとしています。GFRPの場合のように、CFRPをそのまま粉砕してマテリアルリサイクルする方法はほとんど検討されていません。...
常圧溶解法で変圧器に使用するモールドコイルを溶解処理しました。